平成17年度 金町学園経営計画

社会福祉法人東京愛育苑金町学園
施設(園)長 濱崎久美子

 平成16年度は、東京都福祉保健局の検査指摘事項並びに社会福祉法人東京愛育苑調査改善委員会の改善策に基づいて改善を進めてきたが、平成17年度も引き続き、改善に努める。それを踏まえて、平成17年度の最重点課題を、『子供のための学園』とし『子供らしい子供に育てるため』に、以下のように経営する。

  金町学園設置の理念;昭和8年9月設立、昭和23年1月社会福祉法人認可
 『利用者が個人の尊厳を保持しつつ心身とも健やかに育成され、または、その有する能力に応じ自立した日常生活を地域社会において営むことができるように支援する』ことである。
 本金町学園は、諸般の事情から『家庭での生活が困難な状況に置かれた児童達を、家庭に代わって養育する機関』である。子供が育つ過程では、家庭は子供達の社会生活の入り口である。即ち、子供達にとって、学園での生活は、社会生活の第1歩である。従って、複数の人間による学園の生活には、自ずからマナーが伴う。また、『安心で楽しい学園生活(=社会生活)』を過ごすためには、子供には子供なりの責任を負う義務がある。その気持ちや実際の生活技術力を育て、子供という『人』を『人間』に育てあげるのが、本学園の使命である。
 そこで、平成17年度には、今まで以上に、『暴力を否定する子供の育成』と『個々の子供の特性に応じた指導』を目指し、
 ◎ どのようにして『マナーを身につけた子供』 に育てるか
 ◎ そのためには、どのように子供に接すればよいのか、の2点につき、全職員が共に考え、一丸となって目的の達成に向かいたい。

1.児童指導員の役割と自覚
(1) 子供が、「目標や目的をもって、計画的に行動できるようにする。自信がもてる。その際、相談や信頼できる人がいる」、これらのスパイラルの中で、少しずつ抵抗のあることにも挑戦していける、さらに「 」内が繰り返される時、子供は充実感を覚え、成就感を覚える。このような行動様式が繰り返されることが成長であり、学園の児童指導員は、ここに介在する。
(2) 子供は、大人の期待通りにはできないことが多く、失敗をしながら試行錯誤を繰り返して成長する。そこで、すぐに結果を求めない、怒らない、一緒にやってみる、一緒に考えてみる、子供の心に寄り添ってやる、ここに児童指導員の役割がある。
2.目指す子供の具体像
(1) 自分のことは自分でできる子供→部屋の片づけ、洗濯など身の回りの整理整頓
(2) 他への思いやりがある子供→他にも考えがあることや力が違うことを知る
(3) お世話になることへ感謝することができる子供→児童指導員への感謝、年齢相応の仕事の分坦、食事の準備、片づけなどの手伝い、おはよう、ありがとうなどの挨拶
(4) 本来の能力に応じた学力を身に付けた子供→家庭(学園)学習の習慣、自学自習態度の育成
(5) 学園の共同生活を楽しむことができる子供→喧嘩や暴力行為の無い学園生活
3.具体策
(1) 日常の生活(日課)を通して
@ 基本的な生活習慣の育成→週日と休日、休日はゆったり度を加味
A 自分のことは自分で→部屋の掃除日や洗濯日を決める、洗濯の仕方を身に付ける
B 発達に応じた生活→食事の仕方、年齢別の行動グループ
C 年齢相応の責任と自由→個別に、義務を履行できる範囲において許可する。
  失敗した場合にも、状況の理解等に努め、子どもを追い詰めない
D ゲーム類を適度に楽しめる生活→ルールを決める
E 家庭(自主)学習の習慣付け→帰ったらおやつ、次に宿題、自由勉強などの流れや時間設定など
(2) 土・日・休業日の活動   小中学生はできるだけ外部の事業を活用し、一般社会でのマナーや規律、余暇活用の仕方などを育てる
@ 大塚土曜クラブ 年間20回(月2回の土曜日)
  午前:算数・数学、英語、漢字
  午後:昼食、遊び  9時から14時半(中学生は16時半)
A スマイルフリースクール 月1回1泊2日 成人聴覚障害者による指導
B その他、本園で月1回土曜日に、絵画、習字などのクラブを開く
  一人一人の興味、趣味に対応。指導はボランティアに
C 区民農園を借りての畑作業
  適時な日曜日や休日などに、園芸ボランティアに指導を依頼
D 葛飾ろう学校休業日事業への参加など
(3) 年中行事などで共同生活者としての絆や友達を思いやる心を育てる
@ 読み聞かせなど
A 誕生会 友だちの誕生を祝う=命の大切さを学ぶ機会
  少々特別な料理を用意する→大切にされている実感を味わう
  お祝いのエンターテイメントなど
B 長期に休日が続く場合の行事→目的、方法など計画的に実施
(4) 外部からの情報源等の活用 情報収集のしやすい環境を設定し一般社会や成人ろう者、ろう学校の様子などの情報を自分で手に入れる習慣を育てる
@ インターネット等メディア
A 携帯電話
B 情報誌の購入・受け入れ
  日刊新聞、小学生新聞、いくおーる、日本聴力障害新聞、聴覚障害学生懇談会誌等
4.まず何を
(1) 在園生の実態の把握と指導計画の作成、職員間の共通理解
一人一人の子供の課題・長所・短所等と今年度の目標(担当者はどう育てたいのか)
個別支援計画の作成→管理職との面談
(例)・全員の支援計画一覧表を作成する
   ・大学進学希望 そのための方法をどうするか、塾、家庭教師、ボランティア
   ・個性の伸長 やる気がある、何かに秀でている子供への支援等
(2) 計画的な職員研修の実施
指導力の向上なくして、学園は変わらない。昨年度の研修事項に基づき、さらに研鑽を積み指導力を高める。また、職員自身の研修計画も適宜採用実施する
  『質の低い施設では、子供が育たない。』→『危機感』の欠如は閉鎖にも繋がる
   ・聴覚障害への理解を深める
   ・子供の行動から心を推測する
   ・子供への接し方の質を高める実技研修
   ・補聴機器の取り扱い方など
(3) 職員との個別面談の実施
職務に関する計画書に基づき、管理職と職員との面談を年間3回程度行う
(4) 園児全員のケース会議の実施
5.保護者、学校、児童相談所、東京都福祉局等との連携

関係者・機関との適時に適切な報告、連絡、相談を通して金町学園の使命を果たす

ボランティアの活用
目的をはっきりさせた上で依頼する
(例) 指導技術のある人、仕事の技術のある人、子供にとってよい環境となる人等

社会福祉法人東京愛育苑 金町学園
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