スタッフ紹介
社会福祉士資格の新児童指導員(聴覚障害者)

 本園では、聴覚障害のある職員が2名になりました。職員定数の関係から、非常勤という立場ですが、意欲的に取り組んでいただいており、誰もが期待している新児童指導員です。


 この度、非常勤として本学園で働くことになりました田中美紀と申します。よろしくお願いします。
 私は先天性の聴覚障害者ですが、幼稚部も含めて聾学校の経験は全くなく、手話を身に付けたのは大学入学後です。そこで聴覚障害学生懇談会と関わりを持つようになり、その経験から聴覚障害児・者のアイデンテイティは、手話や自分と同じ聴覚障害者のロールモデルとの関わりを通して身に付くものであると考えるようになりました。大学では社会福祉を専攻していましたが、卒業後すぐに福祉職に就いたのでは視野が狭くなると考え、一般企業でしばらく働いて参りました。その経験も含めて子どもたちと接して行きたいと思っております。
 ところで、本学園の今年度の経営計画の中の、「園児に役割を果たして、充実感や成就感を覚える生活を体験させ、<人>から<人間>に育てることが本学園の使命である」という点に非常に共感を覚えております。と言うのも、先ほどのアイデンティティもそうですが、人間は幼少時からの様々な人との関わりの中で、例えば親や兄弟姉妹、近所の大人、学校の友達等、様々なレベル(立場)の人との関わりや経験の積み重ねでその成長は生涯に渡って続くものであると私は考えているからです。つまり、人は「人間」として生まれるのではなく、両親から受け継いだ遺伝的な素質と共に、生後の社会生活環境における学習を通じて「人間」としての性質や能力、ルールといったものを身に付け、「人間」に創り上げられていくものだと思っています。その際に最も基本的な集団となるのが家族だと思います。この集団の一員として育ちながら、それぞれの発達過程において、学校やクラブ、サークル、職場等、様々なレベルの集団に属する中で、他の人間との関わり、集団経験における学習を重ねて自らの発達を続けていくものと思っています。
 以上のことは、健聴者はともかく、聴覚に障害のある子どもにとっては、社会の縮小図とも言える家族の在り方―特に、幼少時の母と子の愛着関係がしっかり築けているかどうかという点は、その後の成長を考えた時に無視してはならない問題であると私は自身の経験から痛感しています。つまり、「愛されている」「言いたいことを思う存分言える」という安心感・信頼感が一番の基本をなしていると思うのです。諸事情により、親元を離れ施設で暮らす子どもたちにとって必要なのは、無条件に自分の存在をありのままに受け入れてくれる大人の存在ではないでしょうか。完全な父親もしくは母親になることは不可能ですが、「私はあなたを見ています」というサインを送ることのできる大人の存在が必要不可欠だと思います。
 今はまだまだ子どもたちとの信頼関係を築いていくのに精一杯の日々です。指導員としての採用ですが、それにとどまらず、臨床心理の面からもアプローチしていければ・・・と思っています。子どもたちとの関わりの中でその心を受け止め、施設を出た後も自立して生活できるための力を養っていけるような指導員を目指したいと思いますので、ご指導の程よろしくお願い申し上げます。


《高山亨太新児童指導員紹介》

 この度、非常勤として勤めることになりました、筑波大学大学院博士課程在学中の山亨太と申します。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
 このような児童福祉の領域では珍しいのかも知れませんが1997年に新しく制定された精神保健福祉士を有し、また以前は高齢者領域で相談員をしていました。
 現在の研究テーマは「社会福祉専門職に対する指導・教育」及び「聴覚障害学」であります。このことから、「子ども達の生活及び学習の状況と児童指導員の指導の実態」を考察させて頂き、併せて児童指導員の指導力及び専門性の向上と、実践理論の構築に役立たせることが出来たらと考えています。その為には、特に、子ども達への直接処遇としての職務を通して、諸課題の整理、また様々な実践、研究を行っていくことが出来ればと考えております。
 一方、聴覚障害者のため高等専門教育機関である筑波技術短期大学でも非常勤をしておりますので、高等教育についての様々な情報提供によって、本学園に新しい視点をもたらすことが出来たらと考えています。

社会福祉法人東京愛育苑 金町学園
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