金町学園だより(第4号)

退任のあいさつ −改善報告と17年度にあたって−

社会福祉法人東京愛育苑本部 上杉正忠

 この4月から金町学園長を退任し、法人本部の金町学園改革担当の役職を命ぜられ就任いた しました。多くの方々にご協力、ご指導やご叱咤を賜りました。改めて感謝申し上げます。
 17年度は、これまでの学園改革を引き継いで、後任の濱崎新園長と共に、法人と学園が一体となって、特に子供の育成を中心とした学園改革を進めていきたいと考えております。
 東京都は、これからの聴覚障害児の教育や指導のあり方について検討してき、18年度から都立ろう学校8校を4校体制にするなどの方向性を打ち出されましたが、新園長はそのメンバーの一人です。また、新園長は、現在小学部高学年や高等部の園生が、都立足立ろう学校在学時代の校長、更には、大塚ろう学校で4年前に発足した聴覚障害児のための土曜クラブに、園生の10名程は最初から参加してきており、この3月までは同校の校長としてもお世話になっていました。従って学園の子供の様子はよく知っておられますので、指導については期待しております。
 金町学園の様々な問題を解決し園生が安心して楽しい生活ができる状況になるまで、児童を新しく入所(園)させる措置は、停止されています。定員30名のところ、一時停止児を除くと現在17名となっています。毎年卒業生の退園があり、18年度は定員の二分の一以下の見込みで、学園の経営上、財政的にも大変苦しい状況が予想されます。このようなことから、改革2年目の本年度が正念場の年と考えております。
 園生に対しての職員の性的不祥事、体罰を受けたと訴えられた件及びこの件をきっかけに判明した法令に反したり常識を逸脱した問題や慣行慣例による運営等につきましては、東京都及び調査改善委員会の監査や指摘に従い、改革を進めてきました。その一部は、学園だより1〜3号においてもご報告申し上げましたが、改めて16年度のまとめと本年度の態勢をお知らせし、ご協力を仰ぎたいと思います。


1.一連の不祥事についての法人、関係者の処分について
事実関係と責任を明らかにし、児童指導員処分(懲戒解雇1名、停職2名、譴責1名)、園長引責辞職、理事長辞任
17年度:再発防止、職員の人権尊重の意識やモラルの向上等資質向上のための研修を継続する
2.金町学園の組織的運営の確保
学園の意思決定は、職員会議ではなく、園長または理事長が行う
組織の一員や分掌による責任の意識化、職員の家族を行事のボランティアの一人として参加させ公費を支出するという公私混同の禁止など服務の厳正化の実施
3.児童福祉施設として相応しい処遇形態の実行
子供の社会自立を目標にした個別計画による指導への転換
OB、ボランティアのあり方などの改善
上級生の力による下級生への統制・形骸化状況などの指摘により、幼児から高校生までの縦割り居室構成や部屋長会などの廃止
高校生はできるだけ個室化し、大学受験、就職試験等に対応させる
17年度:継続して定着を図り成果が上がるようにする。小学部〜高等部生の年代、生活 ペース、遊び、学校生活など、これまでの学園の慣習の改善が課題である
4.子供の居住、福祉施設環境の改善
大部屋から個室化へ改修
相談室、心理室、面会室、勉強室、会議室、園長室の新設、職員室、トイレを男女別にするための改修等
17年度:聴覚活用の集団補聴システムの未整備、相談室の活用などが課題である
5.子供の権利保障の推進、職員の研修強化について
児童指導員の指導における課題について研修を実施
子供の苦情を受け、第三者委員、調査委員会の開催
聴覚障害児の聴覚と言語力、理解力などの専門研修
17年度:子供の権利、資質向上等の職員の研修の充実を図る計画である
6.体罰禁止の徹底
職員への体罰厳禁への指示
これまでの指導、職員や大人の考え方による指導の改善
指導中の暴力的行為への対応、言葉の使い方、態度のあり方などを検討した
17年度:子供間の暴力行為(これまでの指導の影響)、子供の意識などに問題がある。ケース会議、研修、また、児童相談所、学校等と連携して問題の解決を図る必要がある

 調査改善委員会の改善項目は15項目ありましたが、園長決裁による経理事務の適正化や聴覚障害者の児童指導員の採用などは是正されましたので、報告からは特に除きました。
 学園に在籍している子供達は、家庭状況の影響を受け、様々な課題を抱えています。心理状態が不安定なことも多く、登校を拒否する子供、愛情を求めている子供、暴力行為に訴える子供などがおり、これに対応した指導は、生活や発達段階の違い、言語力、理解力、思考や判断力の特徴などの状況をつかみ取る知見、洞察力、知識、指導力などの専門性が職員には必要であります。
 これまでの職員の採用や資格のあり方、異動のない職場状況などは、福祉施設共通の課題でもあります。いずれにしましても、法人、学園の信頼回復と福祉施設の目標とするところへ向かっていく改善の好機会として考えております。
 本年度も、皆様のご理解・ご協力、ご指導をお願い申し上げる次第でございます。

社会福祉法人東京愛育苑 金町学園
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